前職では世界初のUSBメモリーの商品企画に関わったり、米国のMoMA(ニューヨーク近代美術館)のショップで販売されたユニークなUSBメモリーの企画に参加した筆者だが、個人的な趣味としても、使い切れない数のUSBメモリーをコレクションしている。
数年ほど前、“Custom USB”と呼ばれる、海外のUSBメモリー専用サイトやクラウドファンディングのサイトで面白いUSBメモリーを見つけた。その一風変わったUSBメモリー「Gigs2Go」が昨年末、銀座の伊東屋に並んでいるのを発見して、速攻衝動買いしてしまった。
そのUSBメモリーは16GBサイズのUSBメモリーが4個並列にくっついた一体型の形状をしている。ボール紙系とも、玉子ケースに使用しているパルプ系の素材とも思える強度のある素材で作られた商品だ。おそらく再生紙を粉砕して、ボンドで練って作り上げたような素材で包んだのだろう。
筆者が購入した時には取説も何もなく、クレジットカードサイズの商品パッケージだけを手渡された。ごく普通のプラスティックや金属プレートで保護されたUSBメモリーを見慣れていると、このGigs2Goはきわめて新鮮で、ついつい持ち歩いて自慢したくなる。
取説は無くても、これがUSBメモリーであることさえ理解できれば、取り外し方や使い方は簡単に想像できる……と思ってしまう。何でも思い込むとすぐにやってみたくなる性格で、早速、撮影しながら家族にGigs2Goの端っこのUSBメモリーをポキッと折ってもらった。
家族が「何となく感触が変だ」というので、引きちぎった16GBのUSBメモリーを見てみると、2つのパーツに分かれていたUSBコネクターと基板の部分が折れ曲がり、その影響でパルプ素材の半面が剥がれてしまった。
幸いにも内部の構造を見ることが出来たので、最初のトライは取り外し方に問題があったことも同時に理解できた。どうもこのGigs2Goは、目的のUSBメモリー1個を垂直に下側に折るのではなくて、水平に左右にねじって徐々に引き離すのが正しいようだ。
早速、その方法で引き離してみたところ、予想通り多少パルプのバリは残っているが、綺麗にUSBメモリーだけをクレカ大のベースから引き離すことに成功した。
続いて、実際に使ってみようということでThinkPadのUSBポートに挿入してみたところ、一番最初に折り曲げて引き離したUSBメモリーと同じように、正しく引き離せたと思っていたUSBメモリーを覆っている片面のパルプ素材がポトッと落ちてしまった。
容量的にはキチンと16GBあり、問題はなかったが、この接着能力の弱さは問題だろう。あるいは接着剤の効果保持できる期間がかなり短い素材なのかもしれない。何にでも100%の効能があるかどうかは別だが、筆者的には接着問題の一発解決には「アロンアルファ」だということで、バラバラになったUSBメモリーのパルプ素材を修復したところ、予想通りデュラブルな感覚の製品に変身した。
引き離し方を総括すると、まず、クレカサイズの「Gigs2Go」の上辺を片側の手の指先でしっかりつまみ、続いて引き剥がしたい一片を、反対側の手の指先でしっかりつまむ。左右どちらかに水平に折り曲げて、片側の接続ポイントが上手く外れたら、反対側に折り曲げて、両方の接続ポイントが切り取れたら静かに引き抜く。
この作業が上手くできるようになれば、ミーティングの議事録や旅行の写真データなどを、人数分のUSBメモリーを取り外してコピーして、ペンでメモも書き加えて各人に配布するというドヤ顔作業を、あたかも慣れた手つきでできるようになるだろう。
USBメモリーが全部で4個あるのもその為の練習だと考えれば納得できる。まず最初の4個でスムースな引き離しを練習し、本番は次の4個で……というのがドヤ顔のための投資額だろう。
1枚当たりの投資額は一般的な同じ容量のUSBメモリーの約2倍。ドヤ顔のための投資としては悪くないかもしれないが、いつ起こるか分からない経年変化によるパルプ素材の“剥がれ”は保証の限りではない。もはや普通のUSBメモリーでは飽き足りない人のためのリスクとドヤ顔が表裏一体となった楽しさ満載のUSBメモリーだ。ガジェット好きには超推薦アイテムだ。
製品名 | 購入場所 | 購入価格 |
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Gigs2Go USBメモリー(16GB、4個入り) | 銀座伊東屋 | 5700円(税別) |
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