スマートスピーカーの「Amazon Echo」シリーズが突然笑い出すという米国での怪現象が先週話題になりました。多数のユーザーがTwitterやredditで報告しています(下のツイートは、夜中に突然笑ったEchoに対し、「Alexa、もう一度」と命令することで録音したもの)。
うちにある「Amazon Echo Dot」と「Google Home Mini」も、「Alexa」や「ねえ、Google」といった「ウェイクワード」で呼び掛けなくても、テレビなどの音に反応して勝手にLEDを付けたり、ごくまれに「すみません、よく分かりません」と言ったりします。
ただ、話題の現象は周囲が無音(少なくとも人間の耳には)でも発生しているところと、それがリアルな人間の笑い声のようであるところが不気味でした。報告の中には、「オフィスで極秘な話をしているときに突然笑われて驚いた」というものや、「“Alexa, light(照明をつけて)”と言ったら笑い出した」というものもあります。
Alexaが突然笑い出す問題について、米Amazon.comがメディアに送った説明はこうでした。
「ごくまれに、Alexaは“Alexa, laugh(笑って)”という(笑うよう命ずる)フレーズを間違って聞いてしまうことがある。このフレーズを“Alexa, can you laugh?(笑える?)”に変更し、“Alexa, laugh”には反応しないようにする。また、Alexaが笑うときは、突然笑い出すのではなく、「はい、笑えます」と言ってから笑い声を上げるように変更する」
早速、新しい笑い声を動画で撮影したTwitterの投稿も出てきています(下は、カリフォルニアにお住まいの経営コンサルタント、渡辺千賀氏によるツイート)。
このようにリアルな笑い声ではなくなってしまいました。他にもバリエーションがあるのかもしれませんが、これはちょっと残念です。
ちなみに日本で「Alexa、笑って」と頼むと、もともとリアルじゃない笑い方です。
それにしても、Amazonの説明では、なぜ無音でも笑い出したのか分からず、何だかもやもやします。
今回の現象は、Echoシリーズだけではなく、スマートスピーカーというものはずっと周囲の音を“聞いて”いることを思い出させます。「Alexa」や「ねえ、Google」、「Hey、Siri」のようなウェイクワードを言わなければ録音はしませんが、彼ら(つい擬人化してしまう)は呼び掛けてもらえるのを耳を澄ませてじっと待っているのです。
AIにより音声アシスタントの性能が今よりどんどん上がって、5Gで高速に反応できるようになったら、ウェイクワードを言わなくても彼らは会話の内容を理解して、適切な反応をジャストタイミングで話すようになるかもしれません。
Alexaが、ランダムにではなく、誰かが冗談を言ったときに笑ったり、独り言で「お腹空いたなー」と言ったら「出前頼みましょうか?」と言ったりと。
それを気持ち悪いと思うか、便利と思うかは、そのときになってみないと分かりません。
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