この研究、もうちょっと深く続けて欲しいものですね。
「あれ、この風景どっかで見たことある」ってふと思うときがありますよね。風景もそれを見る感覚さえも蘇ってきて、次に何が起こるかもわかってる...と思ってしまったり。デジャブは「次に何が起こるか知っている感覚」を伴う場合が多いそうです。さて、この感覚は本当に合っているのでしょうか?
デジャブの研究をしているコロラド州立大学のチームは、「デジャブの間に次に何が起こるかわかる感覚が起こりますが、それは幻想ではないかと考えられます」という研究結果をPsychological Science誌に掲載しています。
研究チームはまず、被験者にVRゲームで3Dの世界を体験してもらいました。被験者は何回か迷路のような道を歩かされますが、その中には「壁のテクスチャだけが変化した同じ道」が混ざっていることがあります。研究チームは被験者が「見た目はちがうけれど同じ道」を通ったとき、デジャブを感じて次にどこを曲がったらいいかがわかるか、そしてそれが正しい予知なのかを調べました。
結果、被験者は「ちがう見た目で同じ道」を横切った場合にデジャブを多く体験することがわかりました。また、次に曲がるところがわかる気がしていながら、実はわかっていないということも判明。
実験結果はこのように出ましたが、研究の著者たちはデジャブでの未来予知という可能性を完全に排除しているわけではないとのこと。というのも、実験はラボという限られた環境の元で行なわれたものであり、リアルな体験ではないからだそうです。
今回の実験には参加していないハーバード大学の心理学者Daniel Schacterさんは米Gizmodoの取材に対して、「この研究結果は、よく起こるのに得体の知れないデジャブ体験の証拠について印象的に書かれています。次に何が起こるかわかっているような気になるのは、記憶と予測思考が強く結びついて現れる幻想なのです」と話しています。
Schacterさんは「デジャブの研究というのは、想像する能力や未来の経験について考える能力など、人間の持つ記憶機能に多く関わりがあります。今回の実験は、デジャブ体験の最中に未来志向の記憶がどのように働くかを示した新しい試みと言えます」と話しています。
簡単に言うならば、「記憶」は未来のことを考える手助けをするけれど、予知はできないってことですね。
ちなみに、研究結果の中には「デジャブ体験中の次に起こることを予知できる能力を立証する証拠はないですが、予知できるような気がすることと、本当の予知の可能性との間に関連性があるかの証拠もありません」と書かれています。
夢で同じ景色がなんども出て来たり、行ったこともない場所でハッとする気持ち、すごくモヤモヤするので解明してほしいです。
Image: flickr
Source: Psychological Science
Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US[原文]
(岩田リョウコ)
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