ドワンゴは3月8日、AIに競馬の勝ち馬を予測させて得られた収益を全額寄付するプロジェクト「人工知能募金 あなたの募金を増やします」を動画サービス「niconico」で3月10日に始めると発表した。AI技術の発展と競馬業界を活性化する取り組みの一環。
企画に賛同する寄付先(公益団体など)が決まり次第、ユーザーから募金の受付を開始。集まった募金と“同額”の馬券購入費用をドワンゴが負担し、的中して得られた収益と合わせて寄付する仕組み。AIの予測が的中すれば寄付額が増え、負けた分はドワンゴが負担するため寄付額が減ることはない。
競馬予測AIは、ドワンゴのAIエンジニアによる、機械学習アルゴリズムで設計した「Mamba」を採用。競走馬や騎手、厩舎などの成績の他、血統やオッズの変化など約1500個の特徴量を使い、過去の膨大なレースを学習。勝ち馬のパターンを学習し、勝利確率を予測するという。
プロジェクトでは、1日ごとに収支を計算する。AI予測の当たりが多いほどより多くの寄付ができるため、「リスクを少し大きく取り、1日の収支の分散が大きくなるよう(=大きく当てるよう)チューニングを施した」という。
東京競馬場と中山競馬場の全レースを対象に1年間シミュレーションした結果、「調子の良い日にどれだけ寄付を増やせるかが見どころになる」ことが分かったとしている。「運も大切な要素になる」とし、少しでも勝率を高めるためにアップデートを続けていくという。
3月10日のレースでは、競馬予測AIの精度をニコニコ生放送で公開し、ドワンゴが独自に用意した資金で実際に馬券を購入する。
同社はこれまで、コンピュータ将棋ソフトと人間のプロ棋士が対局する「将棋電王戦」、コンピュータ囲碁ソフト「DeepZenGo」の開発支援、選挙情勢を解析する「当確予測AI」の開発などをしてきた。
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