KDDIが、これまで無料で提供していた、月額500円のテザリングオプション料金を4月から徴収すると発表した。
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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2018年3月10日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。
MWC開催中に発表されたこともあり、Twitterなどで、この件に対して特に言及することはなかった。あまりに何も反応しなかったので、KDDIから問い合わせが来てしまったのだが、実際のところは「呆れてものが言えない」というのが正直な感想だ。
そもそも、テザリングを利用するのに、なぜ追加でオプション料金を支払う必要があるのかさっぱり理解できない。ユーザーは、フラットプランであれば20GBの利用量を購入していることになるはずだ。それをスマホでYouTubeを見ようが、パソコンをつなごうが使い方は自由なはずだ。
キャリア側は「ネットワークに負荷がかかる可能性がある」というが、実際に通信を行っているのはパソコンではなくスマホのほうだ。テザリングと言っても、通信に関してはスマホのスペックに依存するわけで、ならば、テザリングを使っただけでネットワークに負荷をかけてしまうスマホをキャリアが売るのが間違っている。
キャリアは、なぜ、通信を思う存分、使いたいという人の気持ちを踏みにじるようなことをするのか。KDDIは、そもそも通信を提供する会社ではないのか。KDDIの掲げる「お客様体験価値向上」の「お客様」というのは誰のことを指しているのか。無料キャンペーン終了のどこが「体験価値向上」につながるものなのか。
ピタットプランを使っているユーザーに対して、テザリングを無料で提供して、支払うデータ容量を上の方に上げていけばいいのではないか。フラットプランを使っているユーザーに対してテザリングを無料で提供して、20GBの契約を30GBに切り換えさせればいいのではないか。
テザリングこそ、ARPUを向上させるための、最適な商材ではないのか。
au STARで、あれこれクーポンを配ったり、毎月1回、世界データ定額が無料になったりするが、それであれば、そのなかの一つの選択肢として「テザリング無料」というのを入れてくれても良いのではないか。
毎月1回、世界データ定額無料という施策をありがたく感じる人は、ごくごく限られたユーザー層のように思う。ならば、毎月、テザリング無料が選べつつ、海外に渡航する月は世界データ定額無料を選ぶ、といった使い分けができた方が多くの人にメリットがあるのではないか。
実際、周辺にいる一般的なユーザーでも、意外とテザリングを認知していて、ちょこちょこと使っている人が多いことに気がついた。一昔に比べて、テザリングが一般化してきているように思う。
いまのところ、無料キャンペーン終了に対する反応は、ごく限られたところだけという感じだが、これが4月に入り、実際に無料で使えなくなると、さらに大きな反響になることだろう。一般的なユーザーからもauに対する反発が大きくなりそうだ。
4月にバトンタッチする高橋誠新社長には、ぜひとも就任会見で開口一番「テザリング無料キャンペーンを継続します」と宣言して欲しいものだ。
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