韓国の国立大学、KAIST(韓国科学技術院)はこのほど、自律型殺人兵器の開発に関与しないことを明らかにした。KAISTは約1週間前、世界の50名以上の研究者が署名した書簡によって、兵器の開発に関わるのであればKAISTとの共同研究をすべてボイコットすると宣言されていた。
このボイコット宣言を受け、KAISTの総長を務めるシン・ソンチョル氏はScienceInsiderに対し、「KAISTは、自律型殺人兵器システムや殺人ロボットの開発に関わるつもりはない」と述べた。
「KAISTは、人間が十分にコントロールできない自律型兵器など、人間の尊厳に反する研究活動を行うつもりは一切ない」(シン氏)
このボイコット宣言に先立ち、KAISTは、韓国の軍需企業ハンファシステムと共同で人工知能(AI)兵器の研究所を設立したと報じられていた。ハンファシステムは、国連が禁止しているクラスター兵器を製造しているとされる企業で、自律型殺人ロボット「SGR-A1」の開発にも関わっている。
ボイコット宣言に署名した56人のAIおよびロボティクス分野の科学者たちは、KAISTが「兵器の開発においてAIを責任ある形で利用することを即座にかつ明確に表明した」ことを受けて、ボイコットを取り下げることにしたと、ニューサウスウェールズ大学(UNSW)は声明の中で述べた。
声明にはさらに、今後もKAISTの研究者との相互訪問を続け、共同で科学プロジェクトに取り組んでいくと書かれている。
UNSWでAIを研究するToby Walsh教授は、次のように述べた。「KAISTの総長が、自律型殺人兵器を開発しないこと、および国際規範に従って、今後開発されるAI兵器を人間が十分にコントロールできるようにすることに同意したことを、非常にうれしく思う。私はKAISTが正しい行動を取ったことを称賛し、今後も喜んでKAISTと協働していきたい」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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