貨物船用の那覇港国際コンテナターミナルで4月2日、原則禁止されているターミナル内へのタクシー乗り入れを、大型クルーズ客向けに可能にする実証実験が始まった。沖縄県や那覇市など官民9団体でつくる那覇クルーズ促進連絡協議会がクァンタム・オブ・ザ・シーズ(16万8666トン)の入港に合わせて初めて実施した。
タクシーの直接乗り入れで、クルーズ客の移動の利便性を高める取り組み。大型クルーズ船の同ターミナル入港に合わせ、今後1年間続ける。(政経部・仲本大地、平島夏実)
同ターミナル内はコンテナ用フォークリフトなどが行き交うため、徒歩での移動が原則禁止されており、クルーズ客は船主がバスを手配して、船から新港埠頭(ふとう)船客待合所までの約1キロを送迎している。観光客はその後、待合所からタクシーに乗って移動するが、タクシーを1時間以上待つこともあり、「沖縄に滞在する時間が短い」との声も出ていた。今回の取り組みで、クレームの解消と利便性の向上を図れるかを実証する。
那覇港管理組合は2018年度予算に400万円を計上。ターミナルに入るタクシーの出入りを調整するため、警備員を3人配置する。県ハイヤー・タクシー協会と全国個人タクシー協会沖縄支部は事前に1868人の入港申請を済ませ、乗客数に応じてタクシーを配車する。
2日はクルーズ客約4900人のうち、ツアーを申し込んでいない個人客が約900人おり、一部の乗客がタクシーを利用すると想定して70台のタクシーを待機させた。同ターミナルと県庁前を結ぶ無料バス4台も運行。那覇市観光協会などがボランティアでタクシーやシャトルバスの誘導、乗客の配車案内などをし、両替のできる観光案内所も設置した。
今後も継続するが、観光客が増える夏場に向けて、屋根付きのタクシー乗り場の整備や車両の誘導、配車案内ボランティアの確保などが課題となっている。
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