「Googleマップ」の公共機関を使う経路検索で、車椅子やベビーカーで移動しやすいルートを優先的に表示するオプションが付きました。まずは東京やニューヨークなどの大都市でスタートし、サポート地域は今後も拡大していく計画です。
車椅子対応かどうかについては、Googleマップの「場所」の説明でも2016年から表示するようになっています。
Googleというと、何でもビッグデータとAI(人工知能)で解決しているようなイメージですが、この取り組みに一番貢献しているのは「ローカルガイド」に登録している1人1人のユーザーです。
ローカルガイドというのは、Googleマップで口コミを投稿したり、写真を共有したり、質問に回答したり、場所の追加や編集を行ったり、情報を確認したりするユーザーの世界的なコミュニティーです。18歳以上でGoogleアカウントを持っていれば、誰でも参加登録できます。
登録すると、Googleマップでどこかの場所(駅とかレストランとか)をタップして情報を表示したときに、下の方に「この場所に行ったことがありますか? 情報提供にご協力ください」と表示されるようになります。これに「OK」すると、幾つかの質問に答えることになります。
端末の位置情報を有効にしている場合は、Googleマップを開かなくてもプッシュ通知で訪問したばかりの場所についての質問をしていいですか? と聞かれます。
そうした質問項目の中に、「車椅子対応の入口はありますか?」や「車椅子対応の駐車場はありますか?」というものがあるのです。
この回答が、Googleマップの「車椅子対応」表示につながります。何人が「はい」と答えたら対応していることになるのか、人間が信頼性を確認しているのかは分かりませんが、私はいつも責任を感じつつ回答しています。自信がないときは「分からない」にしておきます。
回答しようとすると、いかに自分がアクセシビリティについて無関心かに気付きます。3段くらいの段差があるだけで、車椅子対応とはいえないだろうに、何度も行ったことのある駅でもその段差に気付かない。昔、足を骨折してしばらく松葉杖を使っていたとき、通勤で痛感しました。
最近は、駅やレストランに行ったときに、入口に段差がないかなどを確認する習慣がつきました。わざわざエレベーターがあるかどうか探したりはしませんが、目に入れば「あ、ここはエレベーターがあるな」と覚えるようになったし。
それでも当事者が一番信用できるので、車椅子やベビーカーユーザーの皆さんに積極的にローカルガイドに参加してほしいところです。
ローカルガイドは誰でも気軽に登録できるのがいいところですが、車椅子ユーザーかどうか任意で登録できる項目があればいいのに、と思います。で、その人によるアクセシビリティ関係の回答には重みをつけるとか。
いずれにしても、ユーザー1人1人が責任を持って回答していけば、便利な機能になるでしょう。ビッグデータとAIと言っても、そのデータは人の行動によるものです。AIの時代にこそ、人間がしっかりしなくちゃいけないよなぁと思う今日このごろです。
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