2018年3月18日日曜日

[ITmedia News] 「撮影OKならSNS投稿もいいでしょ」はトラブルの元? スマホ撮影のマナーを考える

 スマートフォンで誰もが気軽に写真を撮れる時代になり、それに伴うトラブルも増えてきた。

 2017年の流行語にもなった「インスタ映え」をめぐっては、「飲食店で料理が来た瞬間に撮影会が始まり、せっかくの料理が冷めてしまった」といった身近な不満に始まり、インスタ映えするスポットでの訪問客のマナー違反なども問題になった(関連記事)。シャッター音を消すアプリの存在もあり、盗撮のニュースもしばしば話題になる。

インスタ 「インスタ映え」のハッシュタグ(Instagramより)

 最近は、東映キャラクターショーで、撮影した写真や動画をネットで公開することを禁止する旨のツイートが話題になった。写真や動画を撮って楽しむこと自体は問題ないという。

 東映の公式サイトでは、著作物の利用に関する事項で、劇場・ホールなどで上演する著作物の録画・録音や、画像・映像データのアップロードなどは禁止しているが、これまでTwitterなどでヒーローショーの様子を写真で実況するツイートを見かけることがあった。アップロードについてはこの方針を厳しくしていく考えのようだ。

 InstagramやTwitterがはやっている昨今では、写真を撮ることと、SNSに投稿することが直接結びついている人も少なくない。「写真撮影がOKならば、SNSへの投稿もOKだろう」という考えだ。しかし、この行為は本来は別物のはず。スマホの写真撮影をめぐるマナーについていまいちど考えてみたい。

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「撮影OKでSNSは禁止」は実質不可能?

 そもそも「写真撮影はOKだけど、SNS投稿は禁止」は可能なのだろうか。例えば、仲のいい友達とどこかへ遊びに出掛けた場合なら「今撮った写真はFacebookにはアップしないでね」などと一声掛ければ済む話だろう。しかし、これが企業が開催する大規模なイベントやショーなどになると、全ての観客に目を光らせて取り締まるのはかなり難しいだろう。

 ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー日本法人が開催する氷上のミュージカル「ディズニー・オン・アイス」では、他の観客に迷惑が掛からない範囲で、写真や動画の撮影、商用利用しない形でのSNS投稿はOKと公式サイトで案内している。以前は「個人での鑑賞のみ」としていたが、実質取り締まりが難しいこともあり解禁したのだろうか。

 「写真撮影はOKだけど、SNS投稿は禁止」とする理由としては、映り込みによって第三者に迷惑が掛かる、著作権や肖像権を侵害してしまう、などが考えられる。トラブルになるリスクを考えると、両方禁止にするか両方OKにするかのどちらかが現実的な落としどころといえる。

 普段の生活の中でも飲食店や街中でスマホカメラを使うことは多いが、「店舗に許可なしで写真を撮っていいのか」「周りに映り込んでいる人の顔は特定できない形に加工すべきか」など、配慮すべきことは多い。

 写真を撮るときは、「SNSにアップしてもいいですか?」もしくは「SNSにはアップしないので」と一言断りを入れるのが、SNS時代のITしぐさなのかもしれない。

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