2018年3月4日日曜日

[ITmedia News] 「YouTubeストーリー」にAI採用でグリーンバック不要の背景合成機能

 米Google傘下のYouTubeは3月1日(現地時間)、一部のクリエイター向けに現在β提供している「YouTubeストーリー」に、AI採用の背景合成機能を追加したと発表した。

 YouTubeストーリーは、米SnapのSnapchatや米Facebook傘下のInstagramやWhatsAppにある「ストーリー」のように、複数の画像や短い動画をまとめたカード状のコンテンツを表示する機能。動画はモバイル端末でのみ撮影可能だ。日本では「ショートクリップ」という名称だったが、最近「YouTubeストーリー」に改称された。

 InstagramのARマスクのように、動画内の人物をリアルタイムで検知し、実際の背景を用意された背景画像と差し替える。

 米Appleの「iPhone X」のような高度な深度センサーなしでリアルタイムでこの機能を実現するために、Googleは「畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network、CNN)」という人工知能の技術を採用した。

 教師用のデータとして、数万件の背景付き人物画像をアノテーションし、それを使って画像セグメンテーションできるよう訓練した。アノテーションは、毛髪、眼鏡、首、肌、唇などの前景要素のピクセル精度の位置と、IoU(Intersection-Over-Union)98%の背景ラベルで構成される。

 back 2 9レベルにアノテーションしたデータの例

 テストでは、「iPhone 7」ではフレームレートが100以上、Googleの「Pixel 2」では40以上の動画で、IoU94.8%の精度で背景の差し替えができたという。技術的な説明は公式ブログを参照のこと。

 Googleは、このセグメンテーション技術をさらに改善し、同社の様々なAR(拡張現実)サービスに統合していくとしている。

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