労働者はAI(人工知能)について、どのようなイメージを持っているのか。日本労働組合総連合会(以下、連合)はこのほど、「AIが職場にもたらす影響に関する調査」結果を発表した。AIの認知率は約9割で、AIの導入や活用が進むと「仕事が変わる」と思う人は6割を超えた。一方、AIが導入されても6割以上の人が「労働時間は変わらない」と考えているという。
「AIはどのようなものか知っているか」という問いに「意味をよく知っている」と答えた人は31.5%、「言葉自体は聞いたことがある」人は57.8%、「全く知らない」と答えた人は10.7%だった。
今後のAIの普及について「期待している」と答えた人は全体の54.5%。中でも金融・保険業は期待する人の割合が高く、7割を超えた。続く製造業(64.7%)や公務等(62.3%)、教育・学習支援業(62.0%)でも6割を超えたが、飲食店・宿泊業(41.1%)や、建設業(45.1%)、情報通信業(46.0%)、卸売・小売業(48.7%)では5割を下回った。
「AIで自分の仕事が変わっていくと思うか」という問いでは、「変わる」と答えた人が全体の65.6%だった。最もそう考える人が多いのは情報通信業(74.6%)で、次いで医療・福祉(73.8%)、製造業(73.5%)と飲食店・宿泊業(73.5%)だった。逆に「変わらない」と予想した人が多いのは不動産業(47.1%)と卸売・小売業(47.0%)だった。
自分の職場でAIの導入・活用が進んだ場合、仕事の身体的・精神的な負担がどうなるかについては、全体の43.5%の人が「楽になる」と考えていることが分かった。最も多いのは情報通信業(54.0%)で、その後飲食店・宿泊業(50.0%)、運輸業(48.8%)が続く。一方、建設業や金融・保険業では「負担が増える」と考える人が1割以上いた。
また労働時間については、AIの導入や活用で「減る」と考える人は全体の26.5%にとどまった。「変わらない」と考えている人が62.3%で最も多く、「増える」と考えている人も11.2%いた。
労働時間が減ると考えている人が多いのは運輸業(36.6%)と金融・保険業(32.4%)で、3割を超えていた。連合は「長時間労働の緩和に向け、AIの導入を期待している人が他の業種より多いのかもしれない」としている。
逆に「増える」と考えている人が多いのは建設業(19.6%)、医療・福祉(16.7%)、公務等(15.5%)で、労働時間が減ると考えている人の多い金融・保険業でも1割以上の人が「増える」と考えていることが分かった。
調査期間は2017年12月15日〜19日。ネットエイジアリサーチのモニター会員で20歳以上の働く男女1000人を対象にインターネット調査を実施した。
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