2013年9月、Nokiaは同社として初となるウルドゥー語に対応したフィーチャーフォン「Nokia 114」の販売を開始したとNokiaインドが発表した。Nokia114自体は2,579ルピー(約4,000円)で、いわゆるNokiaエントリーレベルの100番シリーズである(カメラが搭載されているから、エントリーレベルの中ではミドルに近い)。 ウルドゥー語はパキスタンの公用語でもあり、母語にしている人が約6,500万で第二言語も含めると1億500万の話者がいる。Nokiaではインドにおいて以下のローカル言語に対応した端末を既に2008年から販売している。Androidのスマートフォンでは多言語に対応することは難しいことではないが、フィーチャーフォンでは開発や試験にそれなりの労力を要することになるから、どこのメーカーでも対応ができるというものではない。多くのインド人、パキスタン人は英語の利用が可能であるから携帯電話でのSMSも英語で送受信していることが多いが、Nokiaの端末であればローカル言語で対応することが出来るため、利用者の裾野も広がるだろう。 ▼インドにおいてNokiaがサポートしているローカル言語と話者数 (公開情報を元に筆者作成) 「Nokai114」の特徴として1台の端末で2枚のSIMカードを挿入して利用できるいわゆるデュアルSIM対応端末である。だが最近の新興国ではこのようなデュアルSIM対応の端末は、フィーチャーフォンであれスマートフォンであれ、もはや珍しくなくなってきている。Nokia114ではケースや電池を外したりしないでSIMカードの抜き差しができるのが特徴である。つまり、SIMカードの交代のたびに電源を切る必要がない。 さらに「Nokia114」では、異なる5つのSIMカードを端末側で記憶しておくことができる。日本では馴染みがないが、インドのような新興国ではプリペイドが主流であり、1人で複数のプリペイドのSIMカードを保有し、しょっちゅう抜き差しをしながら使っている。SIMカードのキャンペーンを行っていることも多い。「10通までSMS(ショートメッセージ)が無料」や「100ルピー分の通話料がついている」などのキャンペーン(販促活動)である。そのようなSIMカードを購入し、例えば10通分SMSを送信してしまったら、そのSIMは使わないで次のSIMを購入するといった利用パターンである。そのためデュアルSIM対応の携帯電話は非常に重宝する。そしてそのデュアルSIM対応の端末でさらに電池パックやカバーケースを外さずに利用できるというのは使い勝手は向上している。日本人には想像し難いかもしれないが、現地のニーズにマッチした端末の作りである。 Nokiaの携帯電話事業は2013年9月にマイクロソフトが買収することを発表した。マイクロソフトになっても、このようなローカルのニーズにマッチした言語対応、端末開発を推進してもらいたいものである。まだまだこのようなフィーチャーフォンの端末はインドだけでなく多くの新興国で需要がある。 ▼Nokia114 ▼「Nokia114」を発表するNokiaインド 【参考動画】 【参照情報】 ・Nokia 114 gets Urdu language support...
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