2018年3月17日土曜日

SPAJAM2018、新たな3つの取り組みを事前ミーティングで解説


 スマートフォンアプリジャム2018実行委員会とモバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)は、4月から予選が開始されるハッカソン「SPAJAM2018」のキックオフイベント「SPAJAM2018 キックオフMEETUP」を開催した。この中で、今年の「SPAJAM2018」の概要や、審査基準の変更を含む新たな取り組みも解説された。

 「SPAJAM2018 キックオフMEETUP」では、イベントの審査委員長を務めるLinkdIn日本代表の村上臣氏などから、シリコンバレー企業での働き方やデザイン思考について講演が行われたほか、SPAJAM優勝者によるシリコンバレーツアーの報告や、ハッカソンに参加する際のノウハウも伝授された。

 「SPAJAM2018」の概要については、2月9日に掲載したニュース記事も参照していただきたい。

日本の3大ハッカソンのひとつになっているとし、参加することで繋がりが広がっていくような「SPAJAMコミュニティ」を形成・拡大しているという

チーム開発や成功体験を積む「スパジャム道場」

 「SPAJAM2018」はすでに予選の応募受付が開始されているが、事務局であるMCFの岸原氏からは今年新たに取り組む3つのポイントについて解説された。

 1つ目は、すでに案内されている「スパジャム道場」。これは、学生を対象に、チームで開発することに慣れ、完成させるまでの成功体験を積んでもらおうという企画とのこと。メンターとしてエキスパートクリエイターなど14名が参加し、就職や就職後の実務でも役に立つ内容になるという。

 岸原氏は、2015年に実施した企画「沖縄パラダイスジャム」が好評で、これを基に「スパジャム道場」を企画したと経緯を紹介する。岸原氏は、「沖縄パラダイスジャム」で出会った2人がチームを組んでSPAJAM2016年に出場、最終的に優勝まで勝ち取ってシリコンバレーツアーに参加したことを紹介し、予選とは別枠の「道場」であっても、出会いや成長という意味では決して回り道ではない様子をアピールした。

 「スパジャム道場」は、予選が始まる直前の4月21~22日に開催される。応募は3月30日まで。1チームは5人以内で、会場は東京・大崎にあるゲーム開発会社のアカツキ。

道場の前身にあたる「沖縄パラダイスジャム」参加者がSPAJAMで優勝

「デザイン思考」の取り入れ

 2つ目の新たな取り組みは、この日の講演でも触れられていた「デザイン思考」を取り入れること。詳細は今後決定されるが、アイデアソンや審査基準にもデザイン思考が取り入れられる。

 審査基準については、4つの基準のうちのひとつ「テーマ性」が、「テーマに沿って利用者と共感できる価値を提供できているか」というデザイン思考を反映した基準になる。この変更は、ハッカソンを勝ち抜いていく上でポイントになると、岸原氏は指摘している。

SPAJAM出場、その後は?……ビジネスセンスの磨き方も伝授

 3つ目は、SPAJAMの本選に出場した参加者限定で、本選後にアクセラレータープログラムを提供するというもの。これは、優秀なアプリを製作できるクリエイターに、起業やその後の会社運営の拡大に必要なビジネスセンスを学んでもらおうというもの。岸原氏は、直接的なノウハウというより「“勉強のやり方”を教える形になる」と紹介している。

 岸原氏によると、SPAJAM優勝チームともなると、受託などで一定の収入を得たり、立ち上げた会社を運営していくことは可能という(BMWを買えるぐらいの生活はできるという)。しかし、本当に自分のやりたいことで時間を十分に確保したり、「世界を変えるような」挑戦をしたり、それにふさわしい規模に拡大したりするには、会社運営に対して明確なビジョンを描いていることが必要で、それまでとは別の“ビジネスセンス”が必要になるという。

 このアクセラレータープログラムでは、シリコンバレーで行われている、エンジニアがビジネスセンスを学習する「リーンスタートアップ」の手法を用いる。SPAJAMのスポンサー企業からメンターが参加するほか、知財・法務、財務の各方面でもMCFのスタートアップ専門チームが支援を行う。

 岸原氏からはこのほか、「SPAJAM2018」ではキャラクター「温泉むすめ」を使ってアプリを開発できることもアナウンスされた。



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