2018年3月3日土曜日

フランスでもうまくいかなかった...自転車シェアサービスがまた終了


借りたものはちゃんと返さないと、もう借りることすらできなくなくなっちゃう...。

好きな場所で自転車を乗り捨てできる、ドックレス型自転車シェアサービスが世界中でトレンドとなりつつあるなか「Gobee」はフランスでのサービス終了をアナウンスしました。サービスが始まってから半年程しか経っていないのに、一体何があったのでしょう。

英ガーディアン紙によれば、なんとGobeeはフランス国内でこれまでに1,000台以上の自転車が盗まれ、3,200台は破損し、6,500台は修理が必要…という状態に直面していたとのこと。

「12月〜1月にかけて、我々の保有車両の大量破壊が未成年者の新たな娯楽になったみたいです」とGobee。公式サイトでは、会社名とグッバイをかけて「GOBEE-BYE...」という一言から始まっていて、一段とせつなさが漂っています。

ドックレス型自転車シェアサービスがうまくいかない例は、実はこれが初めてではありません。

中国では何千もの廃棄された自転車の山が報告されていて、ドックレスのシェアリングバイクサービス「Wukong Bikes」は5か月間で90%の自転車がなくなり、サービス終了に追い込まれました(自転車にGPSシステムをつけていなかったのだそうです)。

イギリスでは「Obike」が、歩道に放置された自転車が問題になりロンドンにある複数の営業拠点を閉店するという結果に。同社はオーストラリアでも同様の状況に直面したといいます。ドックレスであるがゆえに、公共の自転車置き場を占領してほかの自転車利用者を困らせたり、道端に投げ捨てられたりすることもあったと指摘されています。

アメリカでは「Spin」が、ニューヨーク市内でのドックレス自転車シェアの導入に向けて運輸省と対立することがありました。その一方で、すでにサービスが利用されているシアトルからは、使いづらさや料金の変更など不満の声もあるようですが。

Googleについては(バイクシェアリングサービスではありませんが)従業員用のレンタル自転車が1週間で100台なくなったことが明らかになっています。

「ひと握りの人たちによって、この有望なプロジェクトが台無しになったと思うと残念です」と、Gobeeはガーディアンの取材に「これ以上はもう不可能だという結論に達しなければならず、私たちには全国的にサービスを終了するほかに選択肢はありませんでした」と答えています。

もはやこのビジネスに性善説は通用しないのでしょうか...。たとえば、フランスや近隣諸国はスーパーのショッピングカートだって、デポジットとしてコインを挿入し、使い終わったら所定の位置に戻さないと返金されないシステムをとっています。

借りたものをちゃんと返せないのはこのビジネスに限らず、たとえば期限までに返却しないといけない図書館の本やレンタルDVDとも、ちょっぴり似たようなことである気がします。これが前出のような盗難、破壊行為、通行妨害となればもちろん話は別ですが...。

ドックレス型の良いところのひとつは、レンタサイクルの面倒な部分(借りた場所に返しにいかないといけない等)がないぶん、手に届きやすいこと。これまで環境や健康問題を背景に「自動車よりも自転車を」と社会的に推進されてきたなかで、自転車シェアサービスは理想的で、なかでもドックレス型が便利であることは改めて指摘するまでもありません。

「手軽に借りることができて、ちゃんと返さないといけない」というサービスの利便性と利用上の義務を共存させることはできないのでしょうか? どうすればドックレス型自転車シェアはサービスとして持続可能になるのか...みなさんは、どんなルールや仕組みが必要だと思いますか?



Image: Getty
Source: The Guardian

Melanie Ehrenkranz - Gizmodo US[原文
(Rina Fukazu)



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