2018年3月4日日曜日

「文化」や「信念」が禁止された惑星が舞台のSF小説『言の葉の樹 』が映画化決定


地球上でも似た行いをしてきた国がいくつもありますよね。

ジブリ映画『ゲド戦記』でも知られる、ファンタジー小説家のアーシュラ・K・ル=グウィン。このたび彼女が2000年に出版し、ローカス賞SF長編部門とエンデヴァー賞を受賞した『The Telling(邦題:言の葉の樹 )』の映画化が決定しました。

物語はこのようなあらすじです。

大宇宙連合エクーメンによる圧政下に置かれた惑星アカが舞台。ここでは古い象形文字で書かれたあらゆる書物が焚書され、新たな道を進み始めている。そこに地球から派遣された文化人類学者/言語学者のサテイ・ダスが、文化破壊反対派たちから口承による文化伝達の手段を知るのだった。

制作はSFを得意とするインディー系のBayview Filmsで、監督は女性のリーナ・ペンダーカーがメガホンを取ります。物語の主人公サテイはインド系カナダ人女性なので『GALACTICA/ギャラクティカ』、『スタートレック:ディスカバリー』、『V』に出演したレッカ・シャーマが起用されます。彼女もインド系カナダ人で、しかもSF作品出演は経験豊富。ハリウッド広しといえども、サテイ役はシャーマ以外考えられないんじゃないでしょうかね。

監督はThe Hollywood Reporterの取材に、こうコメントしています。

SF界で最も尊敬される作家のひとりの作品を、特に強い女性の声が必要な今の時代に映像化できることを光栄に思っています。『The Telling』は科学が文化を荒廃させる中で、女性が自分の道を見つける人道的なSF映画となっています

そしてBayviewの設立者リズワン・ヴァークは、このように語っていました。

私は長い間ずっと、アーシュラ・K・ル=グウィンのSFとファンタジーのファンなんです。うちのチームはここ2~3年、ル=グウィンと一緒に脚本を書いてきました。そして彼女の死に対し、深い悲しみを感じています

そうなんです。ル=グウィンは2018年1月22日に、享年88歳でお亡くなりになってしまったんです。さぞや完成楽しみにしておられたことだろうと思います。

この作品は、ル=グウィンの『闇の左手』と同じ“ハイニッシュ・サイクル・ユニヴァース”を舞台としているのも、原作ファンが楽しみとするところでしょう。もし本作が成功したら、『闇の左手』も続けて映像化されたりするのかも?

撮影は本年度の後半に始まり、公開は2019年を予定しています。どのような作品になるのか、続報を待ちたいですね。



Image: CBS
Source: The Hollywood Reporter, Bayview Films
Reference: Google Books, Wikipedia

Germain Lussier - Gizmodo io9[原文
岡本玄介



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