2018年3月19日月曜日

[ITmedia ビジネスオンライン] すぐに成果を求めてガチガチに管理するような新規事業は失敗する

特集:新しいビジネスの種はどこにある?

既存の事業が成熟期を迎えた企業がさらにビジネスを拡大するためには、ざっくり言って、海外など新しいマーケットを開拓するか、これまでとはまるで異なる新規事業を立ち上げるかの2つだ。実際、「新規事業開発室」といった名称の部署がある会社は少なくないが、必ずしも成果が出ているとは言い難い。それはなぜだろうか。本特集では新規事業が成功するための秘けつを探る。

 ビジネスを伸ばすための手段として新規事業を立ち上げようとする会社は少なくない。しかし実態はどうだろうか? 恐らく成功よりも失敗のほうが多いのではないだろうか。それはなぜなのか。

 トップ営業マンとして料理レシピサイトを運営するクックパッドの株式上場に貢献したほか、クラウドソーシング大手のランサーズの初期メンバーとして急成長を支え、その後もエンジェル投資家や起業支援といった活動の中で数々の会社の新たなビジネスを見てきた山口豪志氏に、新規事業の成功のポイントを聞いた。

新たな事業に取り組もうとする会社はとても多い(写真はイメージです) 新たな事業に取り組もうとする会社はとても多い(写真はイメージです)

マイクロマネジメントはやめよう

 「主担当が明確で、しっかりと権限委譲されていること。その人の責任範囲の中で自由に取り組めているような新規事業はうまくいくことが多いです」と山口氏は話す。

 主体的に立候補して担当になることもあれば、指名されて徐々に周りもその人を主役に立てることもあるが、いずれにせよ、会社からある程度の裁量を与えられた形で据えられていることが好ましいという。

 そして一度その人に任せたならば、全幅の信頼を寄せ、周囲がとやかく口出しすることは不要だ。山口氏はある会社の失敗例を紹介する。

 「あるベンチャーと大企業との合同プロジェクトがありました。すると大企業側の担当者の上司が進ちょく状況をこと細かく報告させたのです。いわゆるマイクロマネジメントというやつです。結果、報告業務などに追われ、当然プロジェクトはスムーズに進まず、わずか数カ月で頓挫してしまいました」

 ガチガチに管理しようとせず、まずは担当者に任せてやってみようという気概がなければ、新規事業などとても立ち上がらないという典型例だという。やる前から「いくらもうかるの?」と目先の利益のことを言われすぎると、担当者は役割としての成果を出さねばということに終始してしまい、新規事業に向けたせっかくの助走が消えてしまう。

 これにハッとした読者は多いはずだろう。皆さんの周りにもそんな失敗例がごろごろ転がっているかもしれない。

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