2018年4月6日金曜日

Facebook、医療機関とデータを共有するプロジェクトを停止


 Facebookは、同社のユーザーデータの取り扱いについて懸念の声が上がる中で、病院とデータを共有するプロジェクトを3月にひっそりと一時停止したことを米ZDNetに対して認めた。

 CNBCが最初に報じたように、Facebookは医療研究のために、匿名化されたデータをスタンフォード大学医学部や米国心臓病学会などの医療関連機関と共有することを計画していた。

 Facebookの広報担当者が米ZDNetに認めたところによると、このプロジェクトは一般的な知見の生成に注力することになっていた。そして、それらの知見は、患者向けの治療プログラムや治療介入プログラムを開発する医療専門家が社会的なつながりを考慮に入れるのを助けるはずだった。

 このプロジェクトはFacebookの研究部門「Building 8」で進められていた。この部門は、脳の活動によってタイピングするインターフェースの開発など、野心的なプロジェクトに取り組んでいることで知られる。

 しかし、Cambridge Analyticaによる何千万件ものFacebookユーザーデータの不正使用が発覚したことを受けて、このプロジェクトは3月に一時停止された。Facebookは米ZDNetに対し、この論争を受けてユーザープライバシーに対するアプローチを調整しているところだが、この医療研究プロジェクトを再開する時期は未定だと伝えた。

 Facebookは、いずれかの側にデータが共有される前にプロジェクトを停止したと強調した。

 共有されるデータは匿名化されることになっていたが、CNBCの報道によると、Facebookは両方のデータセットに存在する個人をマッチングするため、ハッシングを使うことを提案したという。このプロジェクトの狙いは、特定の人々に健康に関するおすすめ情報を提供することではないことをFacebookは強調した。

 医療保険の携行性と責任に関する法律(HIPAA)の下で、これらの組織は医療データを慎重に取り扱うことを義務づけられている。しかし、医療セクターは患者の情報をほかのソースのデータを組み合わせて、患者をより全体的に理解することに関心を持っている。

 とはいえ、医療目的でこれだけのデータを収集し共有することは、新たな領域だ。先頃、2人の医学研究者がHealth Affairsでレポートを発表し、電子健康記録で健康の社会的決定要因に関連するデータを表すことについて、国家基準を定めるよう提言した。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。



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