2018年3月16日金曜日

[ITmedia エグゼクティブ] 東レ、欧州炭素繊維を買収 1230億円、航空機向け・欧米進出強化

欧州炭素繊維の買収で記者会見する東レの須賀康雄常務=15日、東京都中央区の東レ本社

 東レは15日、オランダの炭素繊維加工大手テンカーテ・アドバンスト・コンポジット・ホールディング(TACHD)を9億3000万ユーロ(約1230億円)で買収すると発表した。航空機向けを中心に、炭素繊維事業を強化するのが狙い。東レとしては過去最大の買収案件となる。近く買収契約を締結し、親会社から今年後半に全株式を取得する。

 TACHDは、欧州航空機大手エアバスなどと取引があり、年間売上高は約260億円。英国やオランダに生産拠点を持ち、炭素繊維複合材を熱で柔らかくして短時間で部品に加工する技術に強みがある。

 軽くて強度が高い炭素繊維は燃費向上につながるため、航空機向けを中心に需要拡大が見込まれている。15日、都内で記者会見した東レの須賀康雄常務は、航空機の需要拡大とともに「(炭素繊維部材を)早く安く作ることが求められていく」と買収の理由を説明した。英国などに拠点を持つTACHDの買収で、欧州進出を加速する狙いもある。

 東レは炭素繊維で世界首位。2014年には炭素繊維大手の米ゾルテックを約580億円で買収している。

Copyright (c) 2018 SANKEI DIGITAL INC. All rights reserved.



ITmedia 総合記事一覧で全文を見る

0 件のコメント:

コメントを投稿