2018年5月7日月曜日

[スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」]防滴・ノイキャン・完全無線! ソニー「WF-SP700N」


スポーツにも向く左右独立のBluetoothヘッドセット

 つい先日、2018年4月28日に発売されたソニーのワイヤレスノイズキャンセリングステレオヘッドセット「WF-SP700N」(公式ページ)。左右が独立した完全無線タイプのイヤホンで、ノイズキャンセリング機能を搭載し、さらに防滴性能まで備えています。これからの季節にピッタリ過ぎる! と思って発売日に購入して1週間程度使ってきましたので、今回はコレをレビュー!

ソニー「WF-SP700N」。左右独立型の完全無線(Bluetooth)ステレオヘッドセットで、防滴性能やノイズキャンセリング機能を備えています。音楽聴取などのほか通話にも対応。カラーはブラック、ピンク、イエロー、ホワイトの4種類がラインナップされています。実勢価格は税込2万3000円前後。
防滴性能を備えていますので、スポーツやアウトドアアクティビティにもよく向きます。

 筆者はソニーの「WF-1000X」(レビュー記事)を気に入って使っております。WF-1000Xはノイズキャンセリング機能を搭載した左右分離型のBluetoothイヤホンですが、やっぱり完全無線は快適! 音もイイ! ノイズキャンセリングも実用的! てな感じで愛用中。

 そんなWF-1000Xの「防滴バージョン」的存在が、今回レビューするWF-SP700Nです。両者のざっくりしたスペックは似たような感じですが、防滴でありスポーツ時には実用的なEXTRA BASS搭載(低音がより強く出る音質)だったりと、よりアウトドア指向になっているのがWF-SP700N。ということで以降、WF-SP700Nの機能や使用感について書いてみたいと思います。

WF-SP700Nって、どんなヘッドセット?

 まずはWF-SP700Nの概要から。前述のとおり左右独立型のワイヤレスヘッドセットで、スマートフォンなどの音源とはBluetoothで接続して使います。コーデックはSBCとAACに対応していますが、残念ながらapt-Xには非対応。仕様的には、ちょっとiOSデバイス寄り? みたいな。

 また、ノイズキャンセリング機能を搭載し、外部からの騒音を打ち消すように抑えることができます。電車やバスでの移動中でもよりクリアな音で音楽を楽しめますが、単に騒音カットのために使うのもいいですね。アンビエントサウンド(外音取り込み)モードも搭載し、外音を聞こえやすくすることもできます。なお、WF-SP700Nには、WF-1000Xなどに搭載されている「アダプティブサウンドコントロール」(ユーザーの動作を検知してノイズキャンセリングなどのパターンを自動的に切り換える機能)はありません。

 それと、WF-SP700Nは「IPX4」相当の防水性能を備えています。IPX4は「いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない」というレベルで、いわゆる「防雨形」のひとつ上のレベルの防水性能です。ホースからの水を直接ビャーッとかけちゃうのはNGだけど、雨や汗や水しぶきがかかる程度なら大丈夫、みたいなイメージですね。

WF-SP700Nは防滴タイプの左右独立型・ワイヤレスヘッドセットで、ノイズキャンセリング(NC)機能も搭載。カナル型イヤホンですが、アンビエントサウンド(外音取り込み)モードを使えば周囲の人の声や環境音もよく聞こえます。電池持続時間は、連続音声再生時間で最大3時間(NCオン)/最大3時間(NCオフ)、連続通話時間が最大3.5時間、待受時間が最大8時間(NCオン)/最大35時間(NCオフ)。充電は、2回分の充電が行えるバッテリー内蔵専用ケースを使用(専用ケースはUSB充電/約3時間でフル充電)。電池切れ状態からフル充電までに約1.5時間かかります。

 操作は、左右イヤホンにひとつずつ備わったボタンで行います。主には、左イヤホンのボタンでノイズキャンセリング機能のオンオフなどを、右イヤホンのボタンで音楽の再生や一時停止や送り戻しを行います。通話はどちらのボタンでも行えますが、着信音や相手の声は左イヤホンからのみ聞こえる仕様です。

 若干余談ですが、上の写真の専用ケースはコンパクトでなかなか便利。フタにある左右矢印のマークはシールで、剥がせます(が笑顔っぽくてカワイイので貼ったままに)。筆者は写真の「ピンク」のモデルを購入しました。イエローやホワイトにも惹かれましたが、ベージュに近い「ピンク」は装着した状態であまり目立たなくてイイ感じです。

ココがイイ感じ♪

 WF-SP700Nを使っていて「イイな♪」と思えるのは、まずその装着感です。筆者の場合ですが、イヤーピースおよびアークサポーターによるフィット感がとても良好で、顔を振ったり飛び跳ねたりしてもイヤホンが脱落する危うさはありません。イヤーピースはSS/S/M/L(各2個)が、アークサポーターはM/L(各2個)が付属していますので、フィッティングの幅も広いと思います。

交換してフィット感を調節できるイヤーピース(SS/S/M/L・各2個)と、耳の凹みでイヤホンをよりしっかりホールドするためのアークサポーター(M/L・各2個)が付属しています。
装着例。耳の穴に入るイヤーピースと、耳の外側の凹みに沿うように当たるアークサポーターにより、しっかりと装着できます。しっかり装着できつつも、その装着感が自然なのがナイス。あと、耳に対する脱着も容易で、「耳に入れて少し回すだけ」「耳から抜くだけ」という感覚。スムーズに使えます。左右のイヤホンにはボタンが1つずつあり、位置は下側。探しやすく押しやすいボタンです。

 ボタン類の少なさも好印象。基本的な設定は専用スマホアプリ「Headphones Connect」から行い、頻繁に行う操作は各イヤホン上のボタンで行うという感じです。設定項目の多い初期設定はアプリでササッと行えて、以降の操作は本体のボタンで行えるので、理解しやすく迷いにくく良いです。

「Headphones Connect」アプリ(iOS版)の表示例。WF-SP700Nのノイズキャンセリング強度や音質設定などを細かく行えます。ノイズキャンセリングのオンオフなど切り替えは本体のボタンでも操作可能。アプリの「クイックサウンド設定」では、ノイズキャンセリングおよび音質の組合せを保存でき、左側イヤホンのボタン2度押しで瞬時にこの設定へと切り換えられます。

 それと、ケースの使用感も良好。ケースは充電器になっていてイヤホンを2回フル充電にできます。その機能性もイイんですが、イヤホンをケースに入れると電源オフで、ケースから出すと電源オンになるという、左右独立タイプのイヤホンでは定番的な利便性も良好。ケースのフタがスライド式で開閉しやすく、ケース内でイヤホンが安定的に固定される点も使いやすいです。

 音質については、「EXTRA BASS sound」搭載ということで、低音がたっぷり出ます。ただ、低音ばかりという感じではなく、ボーカル域も高音域も十分出ていて、良いバランスの音質のなかで低音が多めに出るという印象。アウトドアアクティビティ中に聞こえにくくなる低音を補っている、というイメージです。低音は強めですが、全体的に音楽を楽しむための十分な音質があると感じられました。

 ノイズキャンセリング性能ですが、ソニーのこの世代のノイズキャンセリングヘッドホンと比べると、「強力というほどではないものの十分実用レベル」という印象です。防滴性能ナシのモデルWF-1000Xに近いノイズキャンセリング性能、というイメージ。これはカナル型イヤホンがもつ「もともとの遮音性」も含めての印象です。電車やバスでの移動時に走行音などをかなり抑えてくれるノイズキャンセリング性能がありますし、小さめの音量で音楽を楽しむことができますので、筆者的には十分ツカエルという感じです。

 WF-SP700Nは左側イヤホンのボタン操作で、「ノイズキャンセリング機能オン」→「外音取り込み機能オン(アンビエントサウンドモード)」→「ノイズキャンセリング機能オフ」を順繰りに切り換えられます。このうち「外音取り込み機能オン」は周囲の音がよりよく聞こえてくるアンビエントサウンドモードで、これがちょいちょい実用的。誰かが話しかけてきたとか、コンビニで買い物するなど「相手の声を聞く必要があるシーン」にすぐ対応できるからです。WF-SP700Nはカナル型イヤホンですが、誰かと会話したりアナウンスを聞いたりするとき、耳から抜かずにボタンを押すだけでOKというのが快適♪

 左右独立タイプのワイヤレスヘッドセットで指摘されがちな「音の途切れ」ですが、左右まとめての音途切れも、片側だけの音途切れも、筆者の場合はまだ経験しておりません。無線関連の安定性も、現状では好印象です。

 ほか、動いているときに体との擦れなどで起きるノイズが少ないのも、左右独立・完全ワイヤレスのWF-SP700Nのいいところ。WF-SP700Nの場合、地面にかかとが着くときの振動で起きるノイズも少なめのようで、よりアウトドアアクティビティに向くと思います。

 あと、やはり防滴性能は安心感があってイイですね。活動中に耳の付近へ汗が滴るような状態でも問題ナシ。水がかかるようなシチュエーションには未遭遇ですが、野外活動中にゲリラ豪雨が! という場合でもイヤホンを気にして焦ったりせずに行動できそうで、これからの季節にもよく向くことでしょう。

ココはイマイチ……だけど「買い度」は高し

 WF-SP700Nには少々の難点もありました。ひとつは音の遅延があるところ。防滴性能ナシのモデルWF-1000Xにもあった、左右独立・完全ワイヤレスなイヤホンだと生じてしまいがちな難点です。

 具体的には、動画を見たときの音の遅れ。出演者が喋っている場合、口の動きと声が合いません。場面転換テンポの速い動画コンテンツだと、映像と音声のズレからくるフラストレーションがとても大きい。正直なところ、動画鑑賞用のイヤホンとしては、この音声の遅延は致命的です。動画鑑賞用としては、WF-SP700Nは全然オススメできません。

 もうひとつ、EXTRA BASS soundにより低音がたっぷり出ると書きましたが、運動中や行動中ではない落ち着いた状態で音楽を聴くと「ちょっと低音が強すぎる?」と思うことがあります(再生する曲によりますが)。「うるさい低音」という感じに聞こえることもあります。そんなときはアプリ上でイコライザーを設定し、好みの音質にしたいところですが、ちょっと面倒。でもまあ、アプリの「クイックサウンド設定」を「落ち着いて聴くときの音質」として設定すれば、活動中とリラックス時の音質の切り換えも手軽(左イヤホンのボタンを2度押し)にできます。

 イヤホン側の操作で音量調節もできると良かったですね~。音量調節は音源(アプリ)の操作で行うので、そのときの操作感が少々煩雑。でもまあ、このサイズのイヤホンにボリューム調節ボタンを搭載するのは無理があるんでしょうか?

 それと、専用ケースの密閉度がそこそこ高い点。イヤホンを保護するにはイイんですが、汗が付着したイヤホンをそのまま入れるのはちょっと、みたいな。多少湿った状態でケースに入れちゃっても……とは思ったんですが、説明書の「使い終わったら」の項目に、こう書いてありました。「本機を使い終わったら、必ず充電ケースに保管してください。 本機に汗などの水滴が付着している場合には、確実に拭き取り、水分が完全になくなるまで常温で放置して乾燥させてから収納してください」と。

 まあそうですよね。でも「水分が完全になくなるまで常温で放置して乾燥させてから収納」とかって、WF-SP700Nの使い勝手がイキナリかつ著しく低下する要求なんですけど! ということで、ケースのフタや外装をメッシュにするとか、より「イヤホンが乾きやすいケース」であって欲しかったな~、という気分です。

 難点はそんなところ。で、筆者的結論ですと、アウトドアアクティビティで左右独立型のステレオヘッドセットを使いたいなら「コレでキマリかも」という使い心地があります。動画視聴においては音声の遅延が多発しますので「音楽・通話専用」ということですが、解放感がある完全無線・左右分離型であり、防滴性能を備えつつ、「耳からの落ちにくさ」がありながら、ノイズキャンセリング機能まで搭載のWF-SP700N。何だかんだで全部入り。「買い度」がかなり高い機種だと思います♪



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